自分には八つ年の離れた弟が居て、その弟も店のお手伝いをしていた
彼は小遣いの為とかでは無くお店屋さんごっこのつもりでやっていたんだと思う。
手伝いと言ってもまだ小さかったから｢いらっしゃいませ｣とか声をかける程度だったけど
当時の弟は兄の自分から見てもメチャクチャ可愛かった。
実際、弟目当てでやってくる年寄りの客とかも居て。弟は我が家の立派な看板役だった。


そんな俺達兄弟と両親で切り盛りしていた小さな店にある日事件が起こった
その日は何時もよりお客さんが多く来て、俺と母が店の中でお客さんの対応してた。
弟は店の前でオロオロしていたと思う。
今思えば、そんなに多い客では無かった（実際母は坦々と対応してた）
テンパっていた俺は、フト、店の外に目をやると一人の女の人がスーっと小走りに店の前を通り過ぎた
ただそれだけなのに、何やら嫌な予感がした、外に居た弟の声が聞こえない。
俺は弟の姿を確認しようと。一瞬だけと思い、店の外に顔を出した。
すると、さっき通り過ぎた女の人が弟を抱えて、数メートル先を走っていた。
思わず｢えええええ？！」と絶叫した俺に店の中に居た母、客と
弟を抱えていた女が一斉に俺を見た。
テンパってた俺は思わず｢弟が！弟が！！誘拐！！ゆゆ誘拐！！｣叫んだ

続きです

｢誘拐｣の言葉に反射的に逃げる女、光の速さで店の外に出て女を追いかける母
慌ててソレに続くお客さん。俺を落ち着かせようとするお客さん
携帯で警察に電話をするお客さん。ただならぬ様子に出てきた奥で作業していた父。
ボーゼンとする俺、｢おがああしゃああああん！！」と泣き叫びながら見知らぬ女に抱えられ遠ざかる弟
何事かと家から出てくる近所の人。あの時の光景は凄く異様だった。
約５分間、母は走り続け、弟を抱えてヘロヘロの女から弟を奪い返し。
後から来たお客さんに女は確保され、警察へと引き渡された。
パトカーに放り込まれた女を見ようとやって来た野次馬の一人が｢アレ。Ａさんの所の奥さんじゃない？｣
と言っていたのが耳に入って来た。
後々に分かった事だが、この誘拐犯こと、Ａ奥は前々から店前に立っていた弟を見て
｢あんなカワイイ子がうちの子だったらなぁ｣と思っていたのだそう。
ソレだけだったら良かったのだが、Ａ奥は｢毎日店頭で立たされてる弟ちゃんが可愛そう｣
｢うちの子だったらそんな事はさせない｣「毎日働かされてる弟ちゃんは私が救ってあげなきゃ」
と思い連れ去ったそうな。
Ａ奥には小学生の女の子が一人居るそうなのだが事件が発覚した後
Ａさん共々Ａさんの実家に引っ越したそうな

その事件の後は、弟は暫く夜に突然泣き出すといった事が多くなり
一年位家族全員で川の字になって弟と一緒に寝ていたらそれも収まった


十年近く経ちちょっと可愛く無くなった弟を見て思い出したのでカキコ

>>886
おつ。それは十分キチでしょう。
結局ｷﾁﾏﾏは離婚したのかな？

>>887
とっさの判断ＧＪ。最後の1行ﾜﾛﾀｗ

８歳も年下だったら可愛く思うよね。
今はともかくｗ

>>887
gj

>>887
にーちゃん　でらGJ

川の字で弟慰める家族愛に萌えた